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たまこラブストーリー 感想


たまこラブストーリーを観てきました。

 半年振りにブログを書きたくなるほどの良作でした。劇場は角川シネマ新宿。上映終了直前の7/5、たった52席しかないミニシアターといった密度の濃い空間で、たまこに感情移入して観ていたら心を揺さぶられてしまい、しばらくの間、目眩がするほど。ここ数年で最もハマった『凪のあすから』や衝撃的だった『プリズナーズ』、『灼熱の魂』を観終えたときでさえブログを書かなかったのに、どこかで吐き出さなきゃ苦しい。それぐらい熱量を持った素晴らしい作品でした。

全9館! 新宿の映画館特集
http://jgweb.jp/444

たまこの成長

 凪のあすからでは、まなかがひかりを意識して好きへ昇華させる描写をギミックですっ飛ばしていました。どちらかといえばドラマチックな表現が目立ちました。たまこラブストーリーでは、これでもかと言わんばかりの丁寧な描写でした。生まれ育った背景があり、現在の在り方があり、未来がある。変化があろうがなかろうが、商店街の営みは続いていく。劇伴は終始当たり障りなく。聴く音楽ではなくBGMに徹する。告られてから家に帰るまでの描写とかめっちゃ綺麗で可愛らしくてアニメの記号的表現なのに、全体的に生々しい描写や感情によって、“好き”だけではない含みの持たせ方がとても女性的で繊細でした。

 糸電話をキャッチできないたまこはお母さんみたいに優しい人になりたいとふんわりとした思いがあった。ずっと一緒に育ってきて、横に並んだと思ったら、転んでびしょ濡れ、コンタクトが外れて見えなくなってしまった。回転しながら勢いをつけて落下するバトンが上手にキャッチできなくて、星空に浮かぶ月がとても遠く感じる。ふと辺りを見渡せば、見上げる場面が多くなり、どこか遠くに行ってしまう、取り残されてしまう。寂しい。置いてけぼり。好きという気持ちと身の回りの変化と向き合うたまこの気持ちが痛くもあり歯痒くもあり羨ましくもあり。

 “もち”が全部もち蔵になってしまうくだり、おとんの曲を聴きながら思い耽る場面はめっちゃ共感できました。一言で“好き”といっても友情、尊敬、恋慕、愛情、憧憬、敬意、愛玩などいろいろあります。頭の中がそれだけになっちゃって、何をやっていても頭の中から離れない。相手から好意を寄せられたとき、こんなに一生懸命になって考えるたまこがすごく魅力的でした。家族だと思っていて、これまでも、これからもずっと一緒だと思っていて。間違えてしまえば、壊れてしまう。何もしなくても壊れてしまうかもしれない。きっとめっちゃ怖かったと思う。幼い頃に母親が亡くなってしまい、餅で励ましてくれたのは父親であり、もち蔵であり。それが大小問わず心の傷であり、いなくなってしまうことが怖い。待合室の場面にて、一つだけ席を空けてるとはいえ、近いのに遠く感じる描写が冷たくて、息苦しかった。母親のテープを聴き、友人たちの後押しもあり、ようやく自分の好きが表現できるようになる。「遠くに行かないで」。駅での告白第一声がこの台詞。これが自分になりに考えて到達した精一杯のたまこなりの“好き”だったんだなーって思ったら、思わず泣いてしまった。もしももち蔵が東京に行くこともなく、もち蔵が誰かと付き合うことになったら、たまこはきっと祝福してしまうと思う。失恋して初めて気付くと思う。

 劇中で終始暗い雰囲気は一切排除して平和な日常を描き、明るいBGMが悲壮感をカモフラージュ。TV版と劇場版でここだけは徹頭徹尾拘り、初志貫徹したことには賛辞を送りたい。デラちゃんがいなくても、もう大丈夫。受け止められる。それぐらい大人になった証なのでしょうか。

みどりの成長 他

 「ずっと言えないと思ってた。」 焦慮の念に駆られたみどりのもち蔵への言葉であり、たまこへの言葉でもあり、自分自身への言葉でもある。劇場版だと、もち蔵への気持ちがやや高まったように私は捉えました。上記台詞の場面のあと、餅を喉につまらせて苦しい素振りをする描写が切なかった。かんなちゃんのアフターフォローは劇場版でも素晴らしかった。匠の業。正に劇的ビフォーアフター。なんということでしょう!

 あんこちゃんの制服くっそかわいかった。あんこラブストーリーはよ!!! もち蔵に「帰ってこい」とたったそれだけの激励。たまことのことは敢えて語らず。たんぽぽが綿毛になって旅立ち、路は続いている。帰ってくる場所があるやつは頑張れる。劇場版でも含蓄のある豆大マジかっこよすぎる。

 テーマに対して前向きに、明るく楽しく描く。けいおん!!以降の京アニ作品はその傾向が顕著。自分のことを語りたがらない、見えにくいヒロイン。たまこ。これが如実に現れていた『氷菓』や『境界の彼方』も大好きです。明るさに見え隠れした暗さ。好きです。憂いを帯びた表情のヒロイン美味しいです。劇場版ではここをもっと伸ばしてほしい。眼鏡フェチとしては、栗山さんは劇中で眼鏡チェンジ3回はお願いしたいところ。美月ちゃんは終始眼鏡でお願いします。あと、やきいもちゃんのぬいぐるみグッズ化をですね以下略。。。

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