rss twitter fb hatena gplus

*

映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」 感想・考察


 映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」
を観て来ました。

字幕2Dで一回。吹き替え3Dで一回。
もう三回ぐらい観たいです。
大好きです。

※映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」と、同人ゲーム「うみねこのなく頃に」のネタバレを含みます。

 TVCMを観てほっこりできそうだな~と思い、癒しを求めて虎とのキャッキャウフフな漂流生活を観に行ったら、六軒島からボートで脱出した戦人やベアトたちが船上でアレしちゃって、十八が幾子に2つのお話を語り、どっちを信じる?な猫箱物語でした。芥川龍之介「藪の中」、 夢野久作「瓶詰地獄」「ドグラ・マグラ」、竜騎士07「うみねこのなく頃に」が好きな人にオススメです。特にうみねこファンは観るべき。これを観た後、実際のところ、EP8終盤で戦人がベアトを突き落としたという説、所謂犯人は戦人「黒戦人説」を否定できない自分が居ます。魔法ENDが大好きなのですが、それだけじゃいけないという気持ちが芽生えつつあります。

ライフ・オブ・パイの監督は、台湾出身のアン・リー。「ブロークバック・マウンテン」や「ラスト、コーション」でヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞。一度観終えた後、これ、うみねこじゃん!って思うじゃないですか。で、監督はどんな人なの? 台湾出身の監督とな。この監督さん、もしかしてうみねこ好きなんじゃね? うみねこと台湾はつくづく縁があるなぁって思いました。

うみねこが本作のように全てを語っていたら、十八がEP8で全てを語っていたら、世間の評価は違ったのでしょうか。そんなことを考えてしまいます。そもそも、本作が日本ではあまり評判宜しくないようです。Twitterやブロガーなどの感想を辿ってみたら、一部の方々が考察で盛り上がっているだけで、理解できなかったという意見の方が圧倒的に多かったです。自分は分かっているからすげえんだぜ!とか厨二っぽいことを言いたいわけじゃなくて、ヱヴァQの酷評の件もあり、今はこういう作風は受けが宜しくないのでしょうかね。どうなんでしょうか。

インドでの生活
 「(ヒンドゥー教・キリスト教・イスラム教の3つを信仰するパイに対して)何かを同時に信じるということは、何も信じていないのと同じだ」「虎の目に、自分の感情を反映しただけだ」   序盤のこれらの台詞が印象に残っています。一周目ではどうしても退屈な序盤の描写ですが、この映画の全てが詰まっています。ヒントというか答えを出してしまっている。ネタバレのオンパレードでこんなに出しちゃっていいのかってぐらいに。フェアな作品。踊りの最中にアナンディだけが表現した蓮の花。後半のミーアキャットの島に係るだけでなく、あの場でパイに向けてのメッセージ(好意)だったってことですよね。観れば観るだけ新たな発見があるから面白い。

沈没

・日本人の船
・誰かが動物を檻から出した
・爆発があったかもしれない
・嵐だけで沈没したわけではない

 誰かがパイの父親の事業を失敗させたかったのか。誰かがインドに帰りたかったのか。母親が助かったのならば、父親や兄だって部屋からは脱出できたのかもしれない。作中で語られていないので憶測でしかないのですが、パイ自身が「誰かが動物を檻から出した」と喋っていて、漂流直後、家族に向けて「ごめんなさい」と懺悔をする。つまりはそういうことなのかなと解釈しました。

漂流開始 ~ リチャード・パーカーの登場

・シマウマ=日本人
・ハイエナ=コック
・オランウータン=カアチャン

・ハイエナがシマウマの脚から襲う
・オランウータンがハイエナをぶん殴る
・ハイエナがオランウータンに逆襲
・リチャード・パーカーが登場

 一週目だと???だったのですよね。日本人がいたところに、シマウマがいる。鳴いてる。虎が一瞬だけボート登ってきたようにも見えて、しばらくの間、姿が消えてしまう。浮かんだバナナの束に乗ってボートに辿り着いたオランウータン。二週目だと、動物の鳴き方や表情、仕草といった表現がどれも素晴らしい。ああ、だから、オランウータンがあんな悲しげな表情してたんだな。荒ぶるハイエナに引っ掻き回され阿鼻叫喚の地獄絵図。コックとカアチャン、喧嘩してたもんね。コックも彼なりに必死だったんだと思う; カアチャンがやられた後、パイに殺意が芽生える=リチャード・パーカーの登場=パイがコックを殺害した。コイヨオオオオオオぶっ殺してやんよ!ってところで勢いよく登場して噛み殺す。狂気の表現が感嘆に値する技術。ここらの一連の流れだけを何十回も見返したい。場面構成や構図、カメラワークにもきっと意味があるはず。

リチャード・パーカーとの共存 自分の感情を反映した存在
 コックの遺した知識で生活を始めたパイ。ハイエナのようにネズミを食べたリチャード・パーカー=パイ。サーカスのように飼いならす描写=規則正しい生活を心掛けてみた描写。餌の取り合いの描写=一気に食べてしまいたい食欲との戦い。鯨の件で食物を失うことがなければ、リチャード・パーカーと距離を置いたままで死んでいたかもしれません。魚をぼっこぼこにするパイ。飛魚の場面で魚を取り合うパイとリチャード・パーカー。複数の宗教を信じるパイにとって、海の宇宙描写は生きる為に必要であり、懺悔であり、禁忌そのものでしょうか。ある日、海面を泳ぎ回るお魚さんが美味しそうで思わずうっかり飛び込んでしまった虎さんマジ猫科かわいいリチャード・パーカー。捕まえられなくて、ふと見渡したら美味しそうなお肉(パイ)がいて、一生懸命に前足で掻いて近づいてくる虎さんマジキュート。おまえは何をやっているんだとセルフ突っ込みしつつ、自分に芽生えた狂気、生きる為の野生の力を一時は捨てようと思ったが、受け入れることにした。宗教は何もしちゃくれない。父親の台詞がここにも活きてきます。誰かと対話をすることが、生き残るには必要だった。

神との邂逅
 嵐がやってきて、序盤と同様にヒャッハーするパイ。船底に非難していたのにおまえは何をやらかしてくれたんだと、呆れ顔でドン引きするリチャード・パーカー。ここの表情が抜群に巧いw 神を讃えるが、怯えるだけの自分(虎)もいる。宗教は助けちゃくれない。信仰心は捨てていないものの、真理を否定することもできない。目が覚めたような顔つきになり、虎と一緒に船底に隠れるパイ。信じていたもの、大好きだった人や作品などから冷める瞬間というのでしょうか。ここらの演技、演出がとにかく素晴らしい。

ミーアキャットの島 考察

◆ミーアキャット
・島の形が女性的
・大量のミーアキャット。場所的に存在するわけがない。
・飛魚とおなじく、姿かたちがどれも同じ。彼らにはそう見えた。
・リチャード・パーカーが食していた。
・寝ようとするパイに引っ付いてくるミーアキャット。モテモテ。
・森の中の泉、蓮の花に酷似した実の中に歯。
・夜は食虫の島。夜ですよ、夜。
   ⇒ 食物、食事のメタファーだと捉えることができる。

◆アナンディからの贈り物を外した描写について
・ミーアキャットの島に永住するつもりだった。
・無人島だかハワイだか分からんが、女ができた。
・無人島だかハワイだか分からんが、肉が人しかなかったので、人を喰った。
   ⇒ 故に、彼女と共に生きる資格がないので外した。

 つまり、現地の女性をあーだこーだしちゃったんじゃないでしょうか説に私も一票。その女性を食べたかどうかは知りません。現代の場面に戻り歯のお話をしてるとき、疑問だったんですよ。そもそも原住民だった人は何故死んだのでしょうか。夜にああなるとしても、気付かないわけはないと思う。わざわざ死ぬ理由もない。パイが何をしたかは分かりませんが、多くを語れないナニカをやらかしたんだと捉えました。

より知識を深めてみようと思い、ヒンドゥー教のヴィシュヌやラクシュミーなどをググってみたら、ウィキペディアさんがいろいろ情報を出してくれました。これらを理解した上で改めて観たら、より面白いかも。

Wikipedia
ヒンドゥー教 ヴィシュヌ – Wikipedia

リチャード・パーカーとの離別
 リチャード・パーカーは振り返らずに去った。現在のパイはベジタリアン。一時は重責から逃れる為に全てを彼のせいにしたかもしれません。しかし、現在の彼は自分自身だと認めた上での独白する。だからこそ、涙が止まらなかったのではないでしょうか。誰も彼を責めることはできません。

大洪水やらノアの方舟的な出来事があり、泥を啜ってでも宇宙を見出して生き残り、蓮の花のように美しく昇華したパイ。正に人生の縮図。何かを同時に信じるということは、何も信じていないのと同じだけれども、彼だからこそ生き残れたのもまた事実である。しんどいときこそ考え方を改める、前向きな発想で立ち上がるチャンス。諦めるな。私もイマジナリーらいおん「さくたろう」と共に頑張って生きようと思います。うりゅー!

関連記事

no image

たまこラブストーリー 感想

たまこラブストーリーを観てきました。  半年振りにブログを書きたくなる...

記事を読む

no image

スタジオジブリ 宮崎駿 最新作「風立ちぬ」 感想

宮崎駿の最新作「風立ちぬ」を観てきました。 世代を問わず、日本で頑張っ...

記事を読む

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ を観に行ってきまし...

記事を読む

地雷ソフト 追奏のオーグメント 感想・考察

地雷ソフト 追奏のオーグメント 感想・考察

ご無沙汰しております。 2013年になり正月早々から私生活で様々な出来...

記事を読む

新着記事

no image

たまこラブストーリー 感想

たまこラブストーリーを観てきました。  半年振りにブログを書きたくなる...

記事を読む

One Night Re:Birth Again supported by SQUARE ENIX

One Night Re:Birth Again supported by SQUARE ENIX

One Night Re:Birth Again supported ...

記事を読む

no image

スタジオジブリ 宮崎駿 最新作「風立ちぬ」 感想

宮崎駿の最新作「風立ちぬ」を観てきました。 世代を問わず、日本で頑張っ...

記事を読む

Angel Beats! Night ~飲んだ世界戦線~ / Angel Beats! Heaven’s Door 5巻 感想・遊佐についての考察

Angel Beats! Night ~飲んだ世界戦線~ / Angel Beats! Heaven’s Door 5巻 感想・遊佐についての考察

 ブログをリニューアルしました。いや、リニューアル中です。すいません;...

記事を読む

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想

劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ を観に行ってきまし...

記事を読む

コメント/トラックバック (4件)

現在、この投稿へのコメントは受け付けていません。

トラックバック用URL:

この投稿のコメント・トラックバックRSS

  1. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

    22/7≒円周率=π(パイ)
    公式サイト。原題:Life of Pi。ヤン・マーテル原作、アン・リー監督。スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、ジェラール・ドパルデュー、タッブー、アディ …

  2. 映画:ライフ・オブ・パイ  当ブログ的には、ぶっちゃけ!! かなりの問題作扱い(笑) ネタバレ注。

    当ブログの歴代ベスト3D映画は「アバター」
    その理由は、J キャメロン渾身の3D 映像美だった。

    そして!
    その J キャメロンもが絶賛する3D 映像美がこの映画。

    漂流する小舟で主…

  3. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

    幻想的な映像美は見応えあり。

  4. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

    【=15 うち今年の試写会2】 今日と明日は滋賀県大津市でお仕事、この週末は波乗り出来そうにないので、出張出発前に地元の海で1ラウンドやっておきたかったので昨日寝るのが遅かっ…

ブレイブリーデフォルト
カウンター総数 総数
【ブログタイトル画像 Illustrated by】
2012 - 2013
だらりブログ@niso
lpumpkin@愛カボちゃ
└ SHOTATTEIIYONE@az
2011 - 2012】
花密@うらら
2010
タメイキクローバー@透音
rosb0919さんの読書メーター
rosb0919さんの鑑賞メーター
Get Adobe Flash player Plugin by wpburn.com wordpress themes
PAGE TOP ↑